Umberto Martinengoの徒然なる日々

IMFの文書・メディアリリースを見て一人であれこれ考えます。

2020年4月「世界経済見通し(WEO)」


平板でオーソドックスだが、やはりWEOは確認しておかないと議論の出発点が定まらない。各国語版で出ている上、メディアでも紹介されているので重複は最小限にすると、


2020年4月「世界経済見通し(WEO)」


今年は大きく落ち込むが、いくつかの前提の下で2021年度以降回復する、というもの。リバウンドの程度は、各国の経済の構造によるが、アジアの新興国と中国は落ち込みを相当程度取り戻すことになる。


IMFのWEO作成担当なら、現在の経済モデルを前提として、下方のインパクトへの応答を計算する。一貫性と様々な配慮を考えれば現時点ではこれが限界だろう。


今後望まれるのは、Post-Coronavirusの世界における構造変化シナリオをあえて踏み込んで設定した分析である。


デジタル化のトレンド加速、医療関連の資材や素材を海外に依存するリスクの認知と規制導入(これならWTOルールにも引っかからない)、さらに中小企業部門の打撃と淘汰に関連する他のセクターへの影響分析こそが将来を予想する上で関心の焦点である。国際政治も無縁では居られない。


IMFでも経済を正面に据えた分析がBlog等で出てくると予想している。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
日経BP
データで見る行動経済学 全世界大規模調査で見えてきた「ナッジの真実」
データで見る行動経済学 全世界大規模調査で見えてきた「ナッジの真実」
日経BP
×

非ログインユーザーとして返信する